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不快な虫は蚊やハエではない?!優良誤認未満の表現を考える

投稿日:2014年7月22日 更新日:

インターネットかリアルかにかかわらず、お店での表示や広告などを見ていると、「それ明らかに優良誤認表示やろ。ていうか嘘やろ」とツッコミをいれたくなるような表示を散見します。

かつて、2ちゃんねるの開設者・ひろゆき氏がテレビのインタビューで言った、

『うそはうそであると見抜ける人でないと(掲示板を使うのは)難しい』

という言葉は有名ですが、それはインターネットの掲示板だけに限らないものとなっています。

優良誤認表示とは

消費者庁によると

景品表示法第4条第1項第1号は,事業者が,自己の供給する商品・サービスの取引において,その品質,規格その他の内容について,一般消費者に対し,
(1) 実際のものよりも著しく優良であると示すもの
(2) 事実に相違して競争関係にある事業者に係るものよりも著しく優良であると示すもの
であって,不当に顧客を誘引し,一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められる表示を禁止しています(優良誤認表示の禁止)。
具体的には,商品・サービスの品質を,実際よりも優れていると偽って宣伝したり,競争業者が販売する商品・サービスよりも特に優れているわけではないのに,あたかも優れているかのように偽って宣伝する行為が優良誤認表示に該当します。

出典:表示対策課 | 消費者庁

とのことです。

簡単に言うと、別にものすごく良いものではないのに、『他にはないくらい良いものですよ!』と書いたり言ったりしちゃダメですよ、ってことです。

優良誤認表示に抵触するような嘘の表記を使うのはもちろんいけないことです。

では表記としてはまったく問題がないにもかかわらず、優良誤認させてしまう「優良誤認未満」の表現を使うことには問題がないのでしょうか。

 

不快な虫よけ商品は蚊よけにはならない

いつかテレビで見たのですがO型の人は圧倒的に蚊に刺されやすいのだとか。そんなO型の私は夏に入るか入らないかのうちにあちこち刺されまくって痒くて辛い毎日を送っていました。そこでドラッグストアに虫除け系グッズを買いに行くことに。

ドラッグストアでは、テレビでガンガンコマーシャルをしている人気の虫除け系商品が特設の什器に山積みになっています。

常に蚊を落とすような効果のある、常設の殺虫剤を全ての部屋につけるのは何だか身体に悪そうだという印象があったので、夕食時にみんなが過ごすダイニングだけは殺虫剤を買い、長時間過ごす寝室でもある個室のために吊り下げ型や置き型の忌避剤を購入しました。

殺虫剤はこういうやつ
  

忌避剤はこういうやつ
  

ところが、家に帰って商品を見てみると、忌避剤にこんなことが書いてあります。

【適用害虫】ユスリカ・チョウバエ

ユスリカ・チョウバエ

ユスリカというのはコレです。

ユスリカ

カによく似ており、電灯の灯などにもよく集まるが、カとは科が異なる昆虫で、カのように動物や人を刺したり、その血液を吸うことはない。

ユスリカ – Wikipedia

そうです。ユスリカは夏のグラウンドで蚊柱になって人の頭の上に集まるので鬱陶しいですが、人の血は吸いません。

そしてチョウバエというのはコレです。

チョウバエ

多くの種は幼虫が湿地や池沼などの水際で藻類やデトリタスを摂取して育ち、目立たない生活を送っているが、限られた一部の種は人家の浴室や台所の排水周り、下水管などで有機物が蓄積し、微生物が繁殖してヘドロ状になった部分に生息し、時に大発生することがある。そのため不快害虫として問題になる。

チョウバエ – Wikipedia

お風呂の排水口の掃除をサボると出てくる奴ですが、ちゃんと掃除をすればすぐにいなくなります。

チョウバエが家に入ってくるから困るという経験をしたことは今のところ一度もありません。(もしかしたら下水の環境などによってはよく大量発生する環境というのがあるのかもしれませんが。)

とにかく私が忌避したいのは、アカイエカやヒトスジシマカのような人の血を吸う蚊であって、なんの害もないユスリカではありません。

「蚊は対象外かよ!!!」

と、ちょっとばかり憤りかけたのですか、よく考えるとテレビコマーシャルでは一言も蚊を避けるとは言っていません。あくまで「イヤな虫を寄せ付けない」と言っているだけです。もちろんパッケージにも「蚊」とは書いていません。

そのイヤな虫の中に蚊を含むと勝手に思い込んで、表示もよく見ずに商品を買ったのは残念ながら私です。

パッケージにはイラスト付きで「ユスリカ・チョウバエ」と表記してありますので、もちろん優良誤認表示にもまったく引っかからないでしょう。

ユスリカ・チョウバエ

でも、蚊取り線香で有名な会社の「窓際につるして不快な虫が入ってこないようにする商品」って言ったら、対象は「蚊」かな?って思いませんか?

他の多くの忌避剤や殺虫剤には「ゴキブリ」「アリ」「コバエ」「ダンゴムシ」などと明記してあるのです。どうしてこの商品には「ユスリカ・チョウバエ」って大きく書かずに「虫」としか書かなかったのでしょうか。ユスリカ・チョウバエでは誰も必要だと思わないだろうという判断があったのではないでしょうか。(少なくとも私には必要ありません。)

#とはいえピレスロイド系の成分が入っていますので、全く蚊に効果がないかどうかはわかりません。ここではその効果のあるなし云々の話ではなく、誤解を与えるような表現や印象操作についてを話題にしています。

 

そのシャンプーにはシリコンが入っています…がなにか?

少し前、ノンシリコンシャンプーが大変もてはやされた時期がありました。

勤め先でのお弁当タイムにも、「○○(シャンプーの商品名)にはシリコンが入ってるからアカンらしいよ」という話題が繰り広げられたりしていました。

でもちょっと待って下さい。シャンプーに入っているシリコンがどう「アカン」のでしょうか。

そもそも、シャンプーに入っているのは「シリコン」ではなく「シリコーン」なのだそうです。

本来、シリコンというのはケイ素のこと、岩石や砂、石英など土壌の主成分のことを言います。

一方、シャンプーに入っているシリコーンというのはケイ素を含む有機化合物のことで、塗料から食品添加物としてまで、さまざまな用途に使われています。

半導体のイメージのある「シリコン」と「シリコーン」とは全く別のものであるにもかかわらず、最近になってシリコーンが「シリコン」と表記されることが出てきたようです。

シャンプーにシリコーンを入れる理由というのは、髪をコーティングして滑りを良くし、摩擦によってキューティクルがキズつくのを防いだり、その耐熱性によりドライヤーなどの熱から髪を守ったりという働きを期待してのこと。シリコーンを配合することには一定のメリットがありそうです。

それに対してシリコーンを配合しないことが、どの程度シリコーン入り商品に対して優位性があるのかがよくわかりません。それほど毒性が強そうなわけでもなく、シリコーンを配合することに大きなデメリットは見当たらないのです。

というか、シリコーンって食品添加物としても使われるレベルで安全性は確認されている物質のようですよ。

食べて体に良いとは言えないのでしょうが、実際にてんぷら油や缶コーヒーに使われているみたいです。

信越シリコーン|消泡剤

しかし現実は、あたかもノンシリコン商品が「良い商品」のように宣伝されています。

髪の毛

しかしここでも、「シリコン入りシャンプーはこんな風に悪い」「ノンシリコンシャンプーはこんなに良い」とは表示されていません。ただ単に、「化学製品であるシリコン(シリコーン)が入っていない」事だけを大々的にアピールしているだけ。何も嘘や優良誤認になるような表現はしていません。

その広告を見て勝手に「シリコンが入っているシャンプーは悪いらしい」「ノンシリコンシャンプーは髪にいいらしい」と消費者が思い込んでしまったということですね。

そして大抵の人がウチの会社の女性達と同じく、「ノンシリコンシャンプーがいいんだってねえ」と思い込みの伝言ゲームをしてしまう。だからこそブームが起きたのでしょう。

#「シリコンが髪をコーティングしてしまうから、栄養が髪に行きわたらない」といった表記をどこかで見たような気がするのですが、そもそも髪の毛って表面から養分を吸収するんでしたっけ?みたいな「なんちゃって理論」もいろんなところで横行していますね。

 

そもそも土用の丑のうなぎだって

ちょうど今は土用の時期です。裕福でない我が家では、土用の丑には1尾5000円近くまで価格の高沸したうなぎを家族で一切れずつ分けあって食べたりするわけですが、その土用の丑にうなぎを食べるようになったきっかけと言われているエピソードをご存知ですか?

実はウナギの旬はもっとも脂ののる冬で、夏土用ではありません。昔は夏にうなぎを食べる習慣などなかったのです。

時は江戸中期、夏の暑いさなかにコッテリしたうなぎが売れずに困っていたうなぎ屋の店主が、店先に「本日丑の日」と大きく書いた看板を出したところ、「どうやら土用の丑にうなぎを食べたら良いらしいよ!」と大繁盛したそうです。そこから周りのお店も真似をするようになり、それ以来、土用の丑にうなぎを食べることが定番になったのだとか。

店主に泣きつかれてこの「本日丑の日」というキャッチコピーを考えたのが、エレキテルという電気発生装置や竹とんぼというプロペラを自力で考案した発明家で、浄瑠璃作家でもあり洋画家でもあり建築家でもあった平賀源内だというのは有名な話です。(マジで天才ですリスペクトしてます)

平賀源内

ユーザーの満足や信用を損ねない表現を

人というのはついつい言葉の勢いに誤魔化されてしまったり、暗に示唆されたことを勝手に誤解して思い込んでしまったりします。消費者としても発信者としてもこのことをよく理解しておく必要があります。

例に上げた商品の広告が悪意をもって作られたとは思いませんが、誤解や思い込みを誘うものであることは否定できません。

「景品表示法にも触れていない、法律上なにも問題がない表現を使っているのだから、それは1つの差別化のテクニックだ」という考えもあるでしょう。

しかしそのような手が使えるのは、そこで消費者をがっかりさせイメージをダウンしてしまっても、補って余りある信用と実力のある企業だからではないか、とも言えます。

振り返って、このブログを読んでくださっている方の多くが中小、もしくは零細企業に所属されている方、そのサイトを作成されたり管理されたりしている方ではないかと思います。

ウェブサイトというのは、広義でいえば広告に当たる場合も多いです。その中で小さい企業が自社のサービスの魅力を紹介するコンテンツを作成する時に、優良誤認未満のような表現は魅力的で、うっかりすると使いたくなってしまうこともあるでしょう。

しかし顧客を騙すことになるようなコンテンツを作ってしまうことは、一時的な集客が出来たとしても、いずれ信頼を損ねることにつながってしまいます。そしてそれは決して好ましい事だとは思えません。

綺麗事だと思われるかも知れませんが、綺麗事を徹底し、正しく誠実であろうとすることもひとつの強いブランディングです。

人を惹きつけるキャッチコピーや表現はもちろん大切ですが、最終的にユーザーの満足を損ねるようなイメージ先行の表現は諸刃の剣だと心得て、きちんと信頼されるサイトを作って行きたいものですね。

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